クリエイティビティについて

めちゃ、久しぶりの、休日。いろいろやらなきゃいけないことはあるけれど、とりあえず、家族にごめんなさいして、今日は、自分のためだけに、時間を使わせてもらってる。

それで、朝から、渡辺力さんの、『ハーマンミラー物語、イームズはここから生まれた』を読んでる。

かなり、昔、五年近くたつのかな。表参道の骨董通りにあるミッドセンチュリーの家具ばかり置いてる雑貨屋さんで出会って、たまたま、あ、この本なにか、私に教えてくれそう
って思って買ったのだけど、忙しさにかまけて、放置。今日になって、ようやくページをめくられることになりました。
結果的には、正解。今の、私のために、あったと感じる本でした。まだ、途中だけど。

その雑貨屋さんには本以外にも、真空管ラジオなんかもおかれていて、店員さんが「ラジオは、電気屋さんで買うものだと思う人が多いけど、置くのは家の中だから、インテリアや空間に合わせて選びたい人もいると思ってね」って、話をしてくれたのを覚えてる。文脈で物を買う、とか、生活の中に物がある、って考え方が、いいな、と思ったのでした。同期の結婚祝いに、柳宗理さんの鍋を買ってあげよう、って入ったのだけど、思いがけずいい話を聞けて、なんとなく、いいな、と感じる店員さんが選んで置いてる本だから、間違いないな、と、自分にも、プレゼントしてあげるつもりで、買いました。


それで、この本。
私の、創作活動の原点に近い価値観、表現が溢れていて、心地いい。

マーケティングをして、こんなニーズがあるから、デザインしました、っていうのではなくて、デザインがあって、こんな、ライフスタイルになるんだ、っていう自由な発想。

ピカソや、マティスアインシュタインのように、芸術的センス、時代性に優れている人たちが、必ずしも、最先端のおしゃれな家具に囲まれてはいないように、デザインそのものが、ひとを豊かにするのではない。彼らはすでに、彼ら自身が豊かなのだ、という見方とか。

デザインてなんだろう、って部分を面白がっていた時代、模索していた時代の、クリエイターたちのお話。

大学時代、現代アートの授業で、鳥が飛ぶ姿をパラパラ漫画で表現してたときの気持ちや、パリやイタリアや上野やいろんな美術館で、魅力的な芸術作品を目の当たりにしている時と、同じ、心地良さ。


本を読みながら、いろんなことを振り返ってみて、今までで自分がこなしてきた仕事の中で、面白がって取り組んでる時の気持ちとも、つながってるな、と気づいたり。

例えばね、ある時、あるアパレルメーカーさんから、いいブランドなのに、着る機会がないから、評価されてないんですよ、って課題をもらって。じゃ、それを、解決しましょうって、出した提案は。一晩だけ、銀座のそのメーカーさんの店舗を閉店後開放してセミナー会場に。お仕事を早めに終えた女性を集めて、本誌人気スタイリストさんによる働く女性の着こなし講座。学んだあとは、2人ひと組で、店舗貸切で、大試着大会。好きなだけ、試してみる、希望者には即売会も。なんて、企画。いろんな人に助けてもらいながら、実現して、夢みたいなシンデレラタイムになりました、と、クライアントさんも、読者も大喜び。


何かを生みだす、創り出す、高揚感。誰かの生活に影響を与えたり、新たな視点を提供できる喜び。

もすこし、ひたって。
そしたら、お片づけタイムにしましょうかね。