偶然の重なりその1

『九月に降る風(九降風)』っていう台湾映画を見ました。

試写の案内をいただいて、なんだか見たいなっていうか、ぜひ見なさい、って言われてるように感じて、出掛けてきました。

私には、いろんな意味で、刺激的で、まさに今、必要な映画でした。

舞台は1997年台湾の南、新竹。学年も生活環境もバックグラウンドのさまざまに異なる高校生たちのお話。
野球観戦に夢中になったり、大樹の下でつるんでタバコをすったり、夜中のプールに忍び込んで裸で泳いだり。問題児だけど熱くて魅力的な少年たちがたくさん登場する。


ストーリーをパンフレットから抜粋して紹介すると。。

リーダー格のイェンはプレイボーイでかわいいガールフレンド、ユンがいるのに、街中で女の子を見つけてはナンパして楽しんでいる。自由奔放なイェンに羨望と嫉妬と複雑な思いを抱く優等生のタン。ある夜イェンの浮気心が原因でタンはビリヤード場で乱闘に巻き込まれ額に傷が残る怪我をしてしまう。それ以来、イェンとタンの気持ちには微妙な感情の溝が生まれ、何となくすれ違いがちに。そして修復の兆しが見えたのも束の間、思いがけない事故が起き、彼らの友情は取り返しのつかない方向へ発展してしまう。一緒に屏東の野球場に行こうという約束も果たされぬまま。。

物語は繊細な感受性をもつタンが主人公。永遠に続くかと思われた彼らと過ごした日々を、卒業式の9月、回想する形で展開していく。

タイトルの九降風とは9月に吹く季節風のこと。台湾では9月が卒業、入学のシーズンなので、日本の桜のように別れと出会いの象徴でもあるそうです。


監督のトム・リンさんは1976年新竹生まれで幼少を台湾とアメリカで過ごす。高校時代はバイリンガルの教育を受ける。今回の作品は監督自身の自伝的要素が多く、
―これは、僕たちの物語だと言っています。


なんだか、いろんなことがびっくりでした。

台湾、屏東は、大人になってやっと帰ることができた私の故郷。 監督とは同年代。 高校時代にインターナショナルな環境で育ったのも一緒。
主人公のイェンを演じたリディアン・ボーンは台湾とウェールズのハーフ。台湾のトムクルーズと称されるのも納得。確かにそんな顔立ちでのびのびした感じの子が私の高校時代も、人種の差とか飛び越えて人気者だったなぁ。


個人的に高校の同級生たちにはぜひ見てもらいたいな。

あだち充岩井俊二作品に影響を受けていて、映像が綺麗で優しく、懐かしい感じ。ちょっとしたところに日本語がでて来たりするのも楽しいから、日本の人にもお勧め。

自然な形でダイバーシティが表現されてるから、うーん世界中の人に見てもらいたいな。。


大好きな映画の一つになりました★