その時の一言が

言葉を発した人には何気ないつもりであっても、受けとる側のその時の精神状態や立場、関心事によって、驚くほど大きな力を持つことがある。

目の前にいるのは紛れもなくいつものあの人なのに、なんだか神様からの重要なお告げを聞いているような、不思議な感覚。


数年前にIT雑誌担当だったとき、お世話になった広告会社のTさんと久しぶりに再会。

「相変わらず人の心を掴むの上手いですよね。だからW社長さんとかも、すぐファンになっちゃうんだろうな」

女性誌担当だったときお世話になったスタイリストのNさん。

「今でも私、覚えてる。企画会議でファッションの専門用語が飛び交ったとき、知ったかぶりだってできたでしょうに、あなた、あの場で思いきって、ごめんなさい、わからないです、教えてくださいって聞いたでしょう。でもあなたのその一言があったからこそ、そこから話が広がってスーツの用語集の企画が生まれたのよ。一生懸命に学ぼうとするから、みんなあなたのことを助けよう、サポートしようって思うんじゃないかしら」


同僚Y氏から、もっと計画的に売上伸ばすスタイルの営業をした方がいいと指摘を受けて落ち込んでた私に、同じ職場のMさんから。
「Y氏って、あなたが来てからすごく変わったんだよ。入れ替わりで去ってった人達のことは、見限ってたのか、1週間一度もお互い口きかなかったりすることもあったし。期待してるんじゃないかな」

自信ないなぁって思いながらも、尊敬してる人、大好きな人たちからこんなふうなメッセージをもらうと、明確にどうしなさいって言われてるわけじゃないけれど、そのままの私でもいい、応援してるよって言われてる気がして。も少し頑張ってみようかなあって気持ちになってくる。


不安なときほど人と会うのって大事なんだね。