アクションとリアクション
無事、コンサート、終わりました♪
ステージは13:00、15:00の2回。ショッピングモールでお買い物中の方を呼び込んでの開催。ささやかなイベントなのだけれど、すごくすごく貴重な体験をたくさんさせていただきました★
ステージに立つ仕事だから、衣装、お化粧、姿勢、発声、見た目対策、かなり大事。事前にいただく台本の読み込み、流れの把握、曲や楽器についての予習も重要。そうした事前準備の大切さは、もちろん理解していたけれど、今回改めて学んだのは、もともと特にコンサートに来ようと思ってない人を惹き付ける“現場力”の存在。
それは、話す内容、雰囲気づくり、声の大きさ、いろんなものの総合力でできている。技術もあるけど、それだけじゃない。
13:00からの回、目立つ失敗もなく、そつなく、こなした。と、思った。
でも違った。
ステージから捌け、楽屋に戻るときディレクターさんがポツリと言った。
「りかちゃん、次の回、もう少し、上げて」
巻き込み力が足りなかったんだと察した。
綺麗に、しっとりと、上品に仕上げたつもりだったけど。
それはここでは求められてない。
チケットをわざわざ買って見る人ではないのだから。何やら楽しそうなことやってそう、って迫力、華やかさ、インパクトを優先すべきだったんだ。
“声の厚み”、ってディレクターさんは表現していた。
楽屋で、再度、声の出し方、緩急、伝え方をイメージトレーニング。
コンサートの出演者、ホルンデュオのお二人に、ホルンとの出会いや魅力を聞いた。
もともと違う楽器担当だったところ、なかなか上達しなくって、たまたまホルンを勧められ、試してみたら、自分にあっていることがわかった。
もう一方も。学生時代、吹奏楽部で本当はやりたい楽器が別にあったのだという。ホルンを演奏することになったのは「ジャンケンで負けたから」
偶然の出会いに近かったホルンを、でも二人は10数年以上続けている。
音の響き。形の美しさ。音を重ねることで生まれるハーモニー。失敗したら後戻りできない緊張感。
「私たち、譜面どおりに演奏できなかったこと、“落とす”っていうんです。飛行機に乗って、わざわざ遠い会場までかけつけて。長い長い演奏の最後の最後に、たった一度登場するシンバルが落ちたり、なんてこともあります。MCがセリフを“かむ”のに似ているかもしれないですね」
そっか。
同じ時間は二度と訪れない。貴重な時間を私たちは共有しよう、って呼び掛けているんだ。
自分なりに咀嚼し、迎えた二回目。
信じられないことに。
席もまばらだった会場に
じわじわと人が集まり始め、最後には、アンコールの拍手が起きた。
もっと「楽しみたい」「楽しませたい」
ホルンの演奏と聴いている人たちの心が一つになった瞬間だった。
全ての演奏が終わって。
ディレクターさんが、また、ポツリと言った。
「ね、観客の反応が違っただろう。演奏は、さほど変わらなかった。でも、りかちゃんは、変えたでしょう」
小さな町のショッピングモールで起きた、ちょっとしたムーブメント。
ライブってこういうことなんだね♪
ハマりそうな予感。
貴重な体験をする機会を
与えてくれたMちゃんにも改めて感謝。