メッセージ

rika-aron2008-07-12

いろんな人が私にくれたメッセージがくるくると頭の中をめぐっている。

なぜ我慢する?なぜ、声をあげない?なぜ自分の考えや気持ちがあるのに伝えず飲み込んでしまう?辛いのに、苦しいのに、なぜ受け止めてしまう?自分さえ我慢すればいいと思ってるのか、コミュニケーションをとることを諦めてしまっているのか。来る仕事すべてを「なぜ私がやることになったのですか」と聞き返しもせず、黙ってやってしまう。それは優しいからだと思うのだけれど。俺もそういうおまえが好きだけれど。ここはビジネスの場だから。きちんと相手に伝えてあげないと。伝えれば済むこと。君は頭がいいんだ。自分でもそれはわかっているはずだよ。

私をすごく大切にしてくれる上司。2年前の評価面談で、「働くことに自信がない」と泣きながら伝えたとき、彼が言ってくれた言葉を今でも私は大切にしている。
「仕事について考えて悩んで不安に感じることは正常なこと。むしろ疑わずに自信を持っていることの方が相当に危うい」
この言葉に励まされて、私はもう少しやってみようと思うことができたんだった。

会社の組織変更やら統廃合やらで異動になり、出向辞令が解けてこの5月から再び私は彼の部下になった。1-6月の仕事ぶりを評価する面談で、評価シートなんて形式的なもの、それよりおまえ自身が心配、と本来なら評価シートのプレゼンと質疑応答で進めていく面談のスタイルから外れて、私の我慢体質の改善についての話がメインに。やっぱり、彼の言葉を聞くと安心する。

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ウインドウショッピングをしていて、ふと、店の看板に「H.P.FRANCE」の文字が目に入り、足をとめた。
「昔、店舗は違うのですけれど系列のお店で、フランス語の詩の書かれた指輪を買ったんです」
ショウウインドウを覗き込む私の隣にすっと寄ってきた店員さんに内緒話をするようにそっとうちあけた。
「SERGE THORAVALですね。こちらに彼のもの、たくさんありますよ」
あなたが求めているものに私が引き合わせてあげますと言われたようだった。なんだか魔法をかけられた気分。そのまま店員さんに吸い寄せられるようにしてついて行く。シルバーものを中心に彼の指輪や、ピアスや、ネックレスや、ブレスレットの数々が並ぶショウケースの前に到着。懐かしい。
「このブレスレットは、こんな風に、嵌めると自分の側から詩が読めるんです」ショウケースからブレスをひとつとり、腕に嵌めて解説してくれる。平べったい手錠のような腕輪は片側に詩が書かれていて、確かに嵌めてパソコンなどをするとメッセージが見えて、いい感じ♪

詩の内容はなんだか不思議に深かった。

Reflet

L'â me aussi, si elle veut se reconnaî tre,
devra regarder une â me
Platon

魂もまた自分を識りたいのであれば
魂と向き合わなければ
ならないであろう。

人間もまた同じである

男性だけど女性らしい雰囲気を持っていて、ピアスも指輪も、ネックレスもブレスレットもアクセ全てをしっかりおしゃれにつけている店員さん。

「迷っちゃいますよね」「そうですね、これもつけてみていいですか」「もちろんですとも」「似合うかしら」「ほっそりしてて色の白い方なんでシルバー、とても似合ってらっしゃいますよ」いろいろ付け替えたり、おしゃべりしたりしながら、楽しませてもらったから、最初に気に入ったブレスレットをもらうことにした。


「以前買った指輪の詩が書かれた紙、実家においてきてしまったので書き写してもいいですか」
尋ねると、「もちろんですよ。書き写すのは大変でしょうから今コピーしてきますね」にっこり微笑んで了解してくれた。けれどすぐ別の女性の店員さんが「ちょうどカタログに詩がありましたのでそちらを入れておきますね」と気づいてくれて手間かけることなく無事入手。

Edmond Rostand
Un baiser

Un baiser, mais à tout prendre, qu'est-ce?
Un serment fait d'un peu plus près,
une promesse plus précise,
un aveu qui veut se confirmer,
un point rose qu'on met sur l’i du verbe aimer,
C'est un secret qui prend la bouche pour oreille,
un instant d'infini qui fait un bruit d'abeille,
une communion ayant un goût de fleur,
C'est une façon d'un peu se respirer le coeur,
et d'un peu se goûter, au bord des lèvres, l'â me!


エドモンド・ロスタンド作“シラノ・ド・ベルジュラック”接吻 愛の約束 愛のしるし より抜粋>

あらゆる点から考えて接吻とは何だろう?
少し近いところでする誓い
より確かな約束
互いに確かめ合う告白
“愛する”という言葉をあらゆる細かいニュアンスで表現するバラ色の瞬間(とき)
それは耳に語りかける代わりに口元に語りかける秘密
それは蜂の羽音を彷彿とさせる不断の瞬間(とき)
それは花の味のする一致それは少し吐息をつき
少し互いの想いが一致する方法 死と隣り合わせで・・・

やっぱり言葉っていいな。

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大丈夫?うち泊まってく?朝食はパンとコーヒーでいい?ピアノ弾いてく?

人生が行き詰まっているように感じてしまう気分の時にちょうどよく、誘ってくれるhirokoちゃん。一緒にいてくれるだけで、生きててもいいよって許された気持ちになる。いつもありがとう。


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私はいろんなことを感じています。考えています。もうすこしちゃんと伝えてみようかな。