王の男

王の男 オリジナル・サウンドトラック(DVD付)

これまで映画は「ハートウォーミングか、ラブストーリーよね」と勝手に決め込んいでたんだけど、時代劇もすばらしい!と再認識させてくれる作品に出会ったよ。燕山君(ヨンサングン)時代の朝鮮を舞台にしたイ・ジュニク監督の韓国映画『王の男』です★<<物語>>---------------------------------------
◆旅芸人のチャンセンは、権力にもてあそばれる生活をぬけだして、同じ芸人仲間であり、親友であるコンギルと、より大勢の人々が集まる場所を探して漢陽にやってくる。天性の芸の才能とカリスマで、仲間を増やし一座を率いるようになったチャンセンは、コンギルとともに、国王ヨンサングンと彼の愛妾のノクスを風刺する劇でたちまち漢陽の人気者に。


ところが王を茶化した彼らの芝居はやがて宮廷にも知られるところとなり、王を侮辱した罪でとらえられてしまう。王を目の前に芸を見せ、王を笑わせれば死刑を免れるという条件に、芝居を始める彼ら。でも、緊張のあまりいつものように演じることができない。そんな中、コンギルが機知に富んだ演技で王に迫ると、王は耐えられず大笑い。


彼らの芝居に満足した王は、芸人たちを宮中に住まわせ、連日彼らの芸を楽しむようになる。しかし死から逃れた喜びもつかの間、彼らには新たな試練と悲劇が待っていたのだった...。

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スピード感のある話の展開も見事だけど、王の青い衣装、宮中の赤を基調とした鮮やかで美しい色のコントラストにも目を奪われる。芸人たちの演じる劇中劇・武術は本当に大道芸を間近で見ているような臨場感で楽しめる。京劇(風なのかしら?)を韓国映画の中で見られるのも新鮮な驚きだったよ。


映画を通じて描かれる男性同士の友情、愛情を、何の戸惑いもなく美しいと感じさせてくれるのは、コンギル役を演じるイ・ジュンギの、男性とは到底思えない、女性を超えた美貌に寄るところが大きいと思うな。(本当にうっとりしちゃう!)とりわけ、コンギルの冤罪をチャンセンが自分の命さえ投げうってでも晴らそうとする場面、殺人を繰り返す王の苦悩に、癒しを与えるようにしてコンギルが影絵をみせる場面は、『走れメロス』を想起させる切なさと美しさ。


自分がいつの時代にどんな身分で、誰と出会い、どんな才能を持って生まれてくるのか。選ぶことのできないものが多い中で、生き方、価値観、果たすべき役割など、自分で決められるもの、決めていくべきものを大切にしたいと感じさせる、気持ちよい作品でした★


今日から新宿・恵比寿にて公開。お正月には全国拡大ロードショーの予定だそうです。お見逃しなく♪

●王の男オフィシャルサイト http://www.kingsman.jp/
●出演番組チャンネルアジアでも紹介しています。
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