ヒアちゃんと過ごした夜

イ・ヒアちゃんは先天的に手足の先が未発達となる障害を持つ韓国人の20歳の女の子。身長100センチ。左右4本の指で難しいショパンから冬のソナタまで弾きこなす。


ラジオの番組ディレクターからの誘いで、24時間テレビの収録が終わったあとのヒアちゃんと宿泊先のホテルで1時間ほどお話できることになった。ヒアちゃんについては4月に収録した番組で紹介し、6月に上野で開かれた彼女のコンサートに足を運んだので間接的には出会っていたようなものだった。しかし直接的・個人的にお話しするのは今回が初めて。どんな話ができるのかな。ちょっとは韓国語できたほうが良いよね。アニョハセヨ〜。


車椅子に乗ってヒアちゃんがホテルに入ってきた。皆で口々に「ヒア氏〜こんばんは〜」と声をかけると、以前取材で入った留学生とディレクターには「この前お会いしましたね〜」と懐かしそう。周りに今回私ともう一人留学生が増えたのに気づくと「みなさん日本の人?」とヒアちゃん。「いいえ〜韓国人です〜」と留学生が答えたあと、私はうっかり「そうです。日本人でーす」と答えてしまい、慌てて「あ違った中国人だった〜」と訂正。中国人だと知ったとたん、ヒアちゃんは中国語で「ニイハオ」とご挨拶。それからぺらぺらぺらっと恐らく中国語で話してくれたもののいまいちわからず。「ごめんね、ヒアちゃん、チャイニーズだけど日本育ちだからほぼ日本語しか話せないのよ〜」ちょっと主張してみたけどマイペースのヒアちゃんは相手が何語がしゃべれようとあんまり関係ないようで中国語日本語英語と次々に言葉を変えながら「初めまして〜ヒアですよ〜ありがとう」と言いながら笑顔を振りまく。底抜けに明るかった。



ヒアちゃんとヒアちゃんのお母さまとピアノの先生と私たちラジオ局側が4人。にぎやかになっちゃうけど、静かなところでお話できるのは二人の部屋が一番ありがたい。「快くお邪魔させてもらえるかなぁ」とお会いする前にディレクターと私で心配していた。「韓国人なら普通は気にしないでいれてくれますよ」「そうそう」二人の留学生は言っていた。実際、彼女たちの言葉通り、留学生たちが「お部屋でお話させてもらえますか」と韓国語で聞くと、どうやら「もちろん。部屋にいきましょう」とお母様は言ってくれたよう。遠慮なくお部屋に入らせていただいた。



この続きはまたあとで。