エンキョリレンアイ

エンキョリレンアイ

3日くらい前の仕事帰り。時刻は深夜0時をとっくにまわっていた、と思う。
私のライフスタイルにあわせてくれているとしか考えられない、なんと朝方4時まで開いている、家の近所の本屋さんにぶらりと立ち寄った。

表現者としてのプロフェッショナルたちのことを知りたくて、
とりあえず、芸能・映画・脚本のコーナーへ。

その後、仕事柄、ビジネス書&PC&ITエリアへ。
インテリア雑誌・女性誌をぱらぱら。

とりあえずトレンドチェックで、最近売れてる本コーナーへ。
そこで、なんとなく、あ、この人の本、読もうと思って、手にしたのは
小手鞠るいさんの『エンキョリレンアイ』という小説。

少し前。日経ヘルスの後ろの方のページで、4月くらいから遠慮がちに始まっていた彼女の連載を読んでいて。この人の文章、好きかも、と思ってた。日経ヘルスだから野菜とか香辛料とか、基本食事・健康に絡んだお話になっているんだけれど。それよりも。主人公の名前や文体やお話の構成、私の好みに合うわ。とチェックしていた作家さんだった。

読んでみたら、なんだか、不思議な感じ。昔の友達に出会った感じというか、似た生き方してるんじゃないか、この人って思うような素材ばかりを、彼女は集めていた。

★★★★★★★★★
京都の本屋さんでアルバイトをしている女の子。絵本作家になることを夢見ている。
本屋さんで本探しを依頼された男性と、恋に落ちる。でも彼はパティシエになることを夢見てアメリカに行くことになっていて、遠距離恋愛が始まる。ほどなく彼女は出版社に転職。メールのやり取りだけが彼女と彼をつないでいる。休みがとれて、3日後にはアメリカに行ける、そんな矢先、父親が交通事故に。脳梗塞の気もあったかもしれない。仕事をほっぽりだして、アメリカ行きもNGになって、父の居る救命病棟へ。
父は亡くなってしまう。その後も仕事の悩み、いろんな苦しみがやってきて、そのたびに彼に励まされながら、彼への思いを強くしていく。でも、それからしばらくして、「揺り動かされる出会いがあった」と意味深な彼からのメールの後、連絡が途絶えてしまう。13年の月日が流れたけれど、彼を忘れることは一度もなかった。
★★★★★★★★★

プライベートに私のことを知っている人は、きっと、驚くんじゃないかな。ていうか自分が一番驚いているんだけど。この話の主人公と、時間や場面設定までも、ほとんどそっくりな経験してるんだよね。

っていうか、私の経験って、特別なように思ってたけど、案外、ありきたりってことなのかな。


アムトラック、NY、ジャスミン茶、メール、京都、絵本、出版社、遠距離恋愛。私だけのキーワードだと思ってたんだけどな。

私の人生横取りされたような、ちょっぴり複雑な気分。

ま、私もそのうち、書きますわ。私なりのスタイルで。